気軽に読めて笑える清水義範の小説

清水義範さんの小説は本当に面白いです。笑えます。
バスや電車に一人で乗っているときに読むのは危険です。一人で笑っている怪しい人になってしまいます。一人きりの空間で読みましょう。

国語入試問題必勝法 (講談社文庫)
清水 義範
講談社
売り上げランキング: 61,653
短編小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。
表題作「国語入試問題必勝法」では、国語の問題のカラクリを知り尽くした敏腕家庭教師が、受験生に国語入試の必勝法を伝授する。
僕が高校生のときのことを思い出すと、数学の公式を覚えたり、古典や英語の単語を覚えたり、化学式を暗記したりしていた。
ただ現代文の読解問題だけは勉強したという記憶がない。サボっていたわけではなく、勉強法が分からなかったのだ。現代文の読解問題は、勉強して成績が良くなるものではなく、「読解力」というものをもともと持っている奴が良い点を取るのだと思っていた。
小説中の家庭教師は、「国語の問題はテクニックを知っている奴が正解できる」、「国語の入試問題は問題文を読まなくても解ける」などと言う。
世の中の国語の入試問題を少し皮肉ったような小説。あくまでの小説ゆえの誇張、冗談だと分かっていても、読んでいて笑える。なぜなら、確かに僕自身、国語の読解問題に胡散臭さを感じていたから。

蕎麦ときしめん (講談社文庫)
清水 義範
講談社
売り上げランキング: 74,225
名古屋の地域雑誌に掲載された論文「蕎麦ときしめん」には、名古屋人の特異さが書かれていた。名古屋は田舎?名古屋出身タレントはすべて身内?名古屋人は車を崇拝している?偏見に満ちた、しかしある意味当たっている(?)、名古屋人の性格を分析した論文を紹介する表題作。果たしてこの論文の著者は何者か?「きしめんの逆襲」で正体が明らかに。ほかに、英語の語源は日本語だと主張する学者の「序文」は、学者が書いた本の序文だけを集めた小説。作者得意のパスティーシュ全開短編集です。

永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)
清水 義範
講談社
売り上げランキング: 307,237
英語の教科書の登場人物、ジャックとベティが34年ぶりに再会した。その場で交わされた会話は、英語の直訳そのものであった。こんな素敵なアイディアの表題作「永遠のジャック&ベティ」。ほかに、老人男性が試行錯誤でワープロで書いた誤変換だらけの手紙「ワープロ爺さん」、“コクがあるのにキレがある”とは一体どういう意味か?など、世の中のヘンな命題を真面目過ぎるほどに議論する「インパクトの瞬間」、さらに洋画や時代劇など、さまざまな世界を笑いに変える短編小説全8作品を収録。

バールのようなもの (文春文庫)
清水 義範
文藝春秋
売り上げランキング: 185,564
ニュースでよく耳にする、“バールのようなもの”とは何だろうか?表題作では、こんな疑問にとりつかれた主人公が、“バールのようなもの”の正体を徹底的に考察し、彼なりの結論を得る。 ほかに、誰もがなぜか不機嫌になるみどりの窓口でのドタバタをえがいた「みどりの窓口」や、仕事を退職した老人がアブナイ楽しみを見つける「秘密倶楽部」、 ニュース番組での街頭インタビューのパロディー「○○についてどう思いますか」など、爆笑小説12作品。

日本語の乱れ (集英社文庫)
清水 義範
集英社
売り上げランキング: 497,196
表題作「日本語の乱れ」では、日常気になる日本語の乱れをラジオで募集したところ、予想外の反響が。
また、音声入力ができるパソコンに向かって方言を話してみたら?結果は爆笑必至。笑える短編集。

バスが来ない (徳間文庫)
清水 義範
徳間書店
売り上げランキング: 353,361
表題作は、バスを待つ。ただそれだけの小説。それをこんなに笑える話にするとはさすが!と思いました。

似ッ非イ教室 (講談社文庫)
清水 義範
講談社
売り上げランキング: 1,412,172
エッセイまがいの小説、似非(えせ)のエッセイで爆笑を引き起こす短編小説集。自分の病気を自慢したがる心理を書いた「病気自慢」、作家にとって禁断のテーマにあえて挑む「編集者の悪口」、作者が論争に巻き込まれる「大論争」と、その結末を書いた「論争の決着」など、短編が全28作品と盛りだくさん。

主な登場人物 (角川文庫)
清水 義範
角川書店
売り上げランキング: 284,382
それは、レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』の“主な登場人物”表から始まった正気の沙汰とは思えないゲーム。本編を読んだことのない作家(=著者です)が“主な登場人物”表から、かの名作のストーリーを想像してしまうというのだから、無茶苦茶だわな、これが。さて、清水風『さらば愛しき女よ』乞う御期待。表題作の他十五編を収録。最初から最後まで笑いの世界へとおつれします。

ことばの国 (集英社文庫)
集英社 (2014-03-07)
売り上げランキング: 94,260
ことばに関する短編小説が12作品。日本が英・米・豪と開戦し、英語が敵性語に。さらに中国とも開戦し、漢字・漢語まで使用禁止で人々が戸惑う「言葉の戦争 1」、「言葉の戦争 2」。新聞やテレビのニュースでよく出くわす「手垢のついた言い回し」。間違いファクシミリのせいで起きた珍騒動「ファクシミリ大乱戦」。さらに、討論、手紙、廃語など、ことばに関する爆笑パスティーシュ小説集。私はこの本を読んで笑い転げ、それ以来清水さんの本をよく読むようになりました。

私は作中の人物である (中公文庫)
中央公論新社 (2014-02-28)
売り上げランキング: 126,837
小説の中に登場する、“私”とはいったい何なのか?この謎の登場人物、“私”の正体に迫る表題作「私は作中の人物である」は不思議かつ笑える小説。全国を旅する中で出会った非常にまずい食べ物を紹介する、「全国まずいものマップ」は単純に笑える。ほかにも、とても狭い分野について妙に詳しい人ばかりを解答者として集めたクイズ番組や、ややこしすぎる方言、著者初の官能小説(?)まで、「こんな小説あり?」と思わせる作品が楽しめる、笑いの短編小説計10作品を収録。