AFMとは

AFMとは、Atomic Force Microscopeの略で、日本語では原子間力顕微鏡。

表面を針でなぞって見るタイプの顕微鏡である、SPM(走査プローブ顕微鏡)の一種。

AFMで分かる事

AFMでは表面の凹凸を見ることができる。概ね、広さ100um四方~0.1um四方の範囲を、高さ100nm~0.1nm程度の凹凸を見るのに使うことが多いと思う。最も性能が良いものは原子一個一個を見ることもできる。

AFMのしくみ

AFMでは、カンチレバーと呼ばれるもの(要するに長細い棒)の先に、尖った針(プローブと呼ぶ)がついているものを使用する。この針の先端と、表面の凹凸の距離が常に一定になるようになぞると、針の動いた軌跡がそのまま表面の凹凸を表すというわけ。

針を動かす仕組み

AFMの典型的な測定モードであるダイナミックモード(タッピングモード)では、カンチレバーをその固有振動数で振動させながら表面をスキャンする。振動数は典型的には50~400kHzくらい。例えば表面に凸形状が現れると、急に針と試料の間の距離が狭くなる。すると針と試料の間に働く原子間力が変化して、カンチレバーの振動数に変化を生じる。すると、ソフトが表面と試料の距離が近づいたことを検知して、針を上に(試料から離れる方向に)動かす。このようにして、常に針は試料との距離を一定に保つ。

カンチレバーの振動数を読み取る仕組み

ではどのようにしてカンチレバーの振動数を見ているのかというと、レーザーを使用する。レーザー光をカンチレバーの先端に当てて、その反射光をセンサーに当たるようにしておく。センサーは通常、4分割のPD(フォトダイオード)センサーを用いる。4つに分割されたセンサーのどの場所のレーザーが強いかを見れば、レーザーがどちら向きに曲がったのかを知ることができるようになっている。こうして、カンチレバーの動きは、センサーのどこにレーザーが当たったかを見ることで検出できるようになっている。

AFM測定技術のポイント

AFMという技術のポイントとして、以下が挙げられる。

鋭くとがった針(プローブ):針の先端がとがっていなければ、高い分解能を得ることができない。例えば測定中に針とサンプルがぶつかってしまったり、針の取り扱いを誤って先端を触ってしまったりした場合は、針が変形したりして、とがった形状を保てなくなる。その場合は針を交換することになる。

除振技術:きわめて精密な測定なので、周りの振動や音などに敏感である。通常システム全体は除振台の上に載せられる。また、周りを防音のフードで覆ったりする。

サンプルの固定:除振と同様の理由で、サンプルを土台にしっかりと固定することも重要である。ただサンプルを土台に置いただけで大丈夫そうに見えても、実際はテープで固定したり、真空チャックを用いたりしたほうが良いこともある。

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