研究室選びとは、化学科学生の人生を決めること

大学の化学科を卒業して、企業に就職した私の経験から言うと、研究室を選ぶことが、自分の人生を大きく左右したと思う。

理系の学生の多くは大学院へ進むが、大学院へ進んでから就職するということは、自分が大学院での専門分野で一生生きていくということである。ということは、どのような分野の研究室に進むかで、自分がどんな分野で一生食っていくか、決めることになるのである。

化学の場合で言うと、有機化学を選ぶか、無機化学を選ぶか、あるいは物理化学を選ぶかで、その後の人生は大きく変わる。私の場合は、理論化学分野の研究室に入り、その後就職したのだが、自分の専門分野にマッチングする求人を探すのに非常に苦労した。

研究室を選ぶときは、それが自分の人生を決めるのだという覚悟をもって、十分吟味しなければならない。語弊はあるかもしれないが、研究室の人間関係とか、実験がつらいかどうかとか、教授がイケメンかどうかとか、そんなことで決めてはいけない。

学部で卒業するつもりなら、企業はあなたの専門分野を期待していないから、研究室はどこでもあまり関係ない。大学院まで進んでから企業に就職するつもりなら、その研究室は就職活動の際にどのような価値をあなたに与えてくれるのか、しっかり見極めるべきである。

なお、大学の先生は、大学は就職のための予備校ではなく、研究・教育機関なのだから、就職のことを考えて研究室選びをするなど邪道、という考えの人が多い。ただ実際、卒業後に大学の助教などのアカデミック分野で就職する人など少数派であり、ほとんどが大学院に2年しかおらず、その後企業に行くのだから、大学院は就職するまでの一つのステップ、ぐらいに考えればいいと私は思う。

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